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産経新聞 中川晶の生き方セラピー 第13回 平成16年6月19日掲載「優等生が就職後鈍くさいと・・」 |
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■相談 「学生時代、いつも成績はトップでした。自分はやればできる賢い人間だと思ってきました。しかしいざ就職し、仕事をはじめると、ぜんぜんダメなのです。要領も悪く機転もきかず、周囲からは鈍くさい人、と思われています。特に後輩の態度や言葉にかなり落ち込んでしまいます。日常的な数学や科学の問題は大得意だったのに、日常的な問題となると、あたふたしてしまいます。毎日仕事をかんばっているのにいい結果に結びつきません。仕事が私の適正にあっていないのでしょうか。」 大阪市 地方公務員女性(25) ■回答 「あれれ?」という感じなんでしょうね。学生時代は秀才で通した人が社会に出ると不適応をおこしてしまうというケースはよくあります。たくさん診てきましたもの・・みんな生真面目すぎてどこか危ういんです。ぼくはそんな人けっこう好きですけどね。あなたは数学と科学がお得意だとか・・でもね、あれってどちらかというと趣味の領域なんですよね。日常生活から遊離しちゃってますもの。微分方程式やら熱力学第3法則なんかを日常生活で意識している人ってどう考えても少数派です。子供とキャッチボールするのにボールの投げ方を微分方程式で弾道計算して考えたり、部屋が散らかってるのをみてエントロピーの増大を実感する人って、きっとキャッチボールうまくないだろうし部屋の片づけ上手でない気がするんですけど、いかがですか?それでも飛び抜けてると数学者か物理学者におさまっちゃうという手もあるんですけど、そこまで行かないのが普通ですしねえ。 さて、どうもあなたは過去の栄光の囚われている可能性があります。学校の成績と実社会での能力とは基本的には比例しません。学校の勉強と世間の荒波は質が違うのです。どちらが上でどちらが下なんて関係ありません。ただ、質が違うのです。だから学生時代は優秀でも社会に出ればただの人になっても、ちっともおかしくないのです。あなたの場合、学生時代に優秀だったので実社会でも優秀でなければという焦りがあるのかもね。この際きっぱりと過去の栄光は忘れて不器用な新人から始めることが肝要かと思います。新人なんだから鈍くさくて当たり前、不器用でどこが悪い!って開き直りましょう。 ぼくの友達の整形外科医で手術の名人と言われてる奴がいます。その彼が以前、こんなことを言ってました「オレは鈍くさくて不器用だったのがよかったんだと思う。何故かというと手先の器用な奴は自分の技に溺れやすい。そしていつか努力するのを忘れるんだ。それで気がついたらオレは連中を抜いてたんだ」 あなたの場合、人生まだまだ長いですよ。スロー・ライフで参りましょう。
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