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産経新聞 中川晶の生き方セラピー 第21回 平成16年8月21日掲載「おなかいっぱいでも満足しない」 |
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■相談 「消化能力は悪いのに吸収がよく、年のせいもあり、すぐ太ります。夕食は抜くことができないので食べます。母が用意してくれる量が多く、いじきたない私は残すことができず、パンパンになるまでつめこんでしまうのです。腹はいっぱい、でも頭がなかなか満足してくれないのです。どうしたら途中で食べることをやめられますか。よく噛むとか、少しずつ食べるなど、できることはいろいろと試してみました」 千葉県 パート(パラサイト) 42歳 ■回答 食べ残しはいけないと教えられて育った世代として、お気持ちよく分かります。残すと罪悪感が顔を出すでしょ。それは意地汚さとは少し違うのですけどね・・ 問題はお母さんの作る料理の量なんですよね。あなたがシュレッダーのように次から次へとたいらげちゃうので、お母さんも量を減らせないのです。これが悪循環。そのうち脳の方に変化が生じて満腹を感じなくなってお腹がパンパンになっても食べ続けるということになってしまいます。これって実はあなただけの問題じゃなくて、よくあることなんですよ。 人間の歴史を400万年として、5千年くらい前にようやく農耕が始まりました。つまり399万5千年 の間、人間が食べてきたものといえば、木の実・野草・昆虫・魚・小動物くらいだったんです。農耕が始まって多くの人間が食べられるようになったとはいえ、満腹なんて夢のまた夢だったんです。飽食の時代なんて、たかだかここ数十年の現象です。とすれば、我々の脳が栄養をため込もう、ため込もうとするのは進化的にも無理からぬ事なんです。 だからといって安心しちゃだめですよ。このまま行くとあなたの場合、命に関わります。進化的に人間は飢餓には強く出来てますが飽食には何の準備もありません。だからこそ危険なんです。「死の四重奏」って聞いたことあります?飽食の末路ですかなあ、あれは。高血圧、肥満、高脂血症(中性脂肪)、耐糖能異常(糖尿病の前段階)のカルテット(四重奏)。治療しなければ死に至ります。そして中心にあるのは、どうも糖分の過剰摂取だということが分かってきてます。あなたの場合、五穀や玄米ならまだしも、精米の食べ過ぎは身体に毒ですぞ! お茶碗のご飯を残しさせすれば、良い循環が始まります。農家の皆さんごめんなさい。残すから作らない、ないから食べないという形になればしめたもので。脳の方もご先祖さん並に少ない量で耐えられるよう変化を起こします。 さあ、お互いタフな原始人めざして頑張りましょう!ねえ御同輩(実は、ぼくも食いしんぼで困ってるんです)
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