■相談 

 五十二歳の母は、母性がなく、周りの人に気配りができない人です。良妻賢母の逆、悪妻愚母にしかみえません。夫(私の父)の寡黙な性格を嫌い、「この家は私の家なんだから、あんたなんて出て行け」と追い出してしまいました。父はいわゆるマスオさんで、母の実家に結婚当初から住んでいました。離婚届けもつきつけたものの、父や父の両親は納得するはずないので、現在別居状態です。日曜日に自分の妹夫婦が来ると、子供のようにはしゃいでいます。家事は自分の親に任せ、仕事から帰ると出来上がっている夕飯を食べ、その後はテレビを見て寝るだけです。まるで子供のようです。

 私は子供の時、母からほめられたことはありませんでした。算数で九十五点とったときも「なんであと五点とれないのよ」と叱られ、授業参観で教室にはられた絵を見て「あんたの絵、一番下手ね」「●●ちゃんのお習字は上手ね、あんたの字はミミズがはったみたい」といわれ、幼心に傷つけられました。私の消極的な性格、何をやってもあまり自身がもてない性格は、こういったことが心に残っているせいなのかなあ、と思います。

 大学三年の夏休み、イタリアへ短期留学したいことを思い切って母に相談しました。しかし、母は私の話もきかず、反対されました。私は短期留学を諦めきれず、祖父母や親戚の伯母に相談しました。「大学でイタリア語、頑張って勉強してきたのだから大学生の思い出にぜひ行ってみたら」と気持ちよくすすめてくれました。

 なぜ母は人のことを思いやろうとしないのか、私のことなど関心がないのか不思議です。結婚当初からの夫との不仲、ストレスで、優しさや思いやりを失っていったのかと思います。

 しかし、このような不仲の両親の下、ここまで私がこれたのは、よき理解者であった友人、恩師、祖父母、親戚がいてくれたおかげです。いずれ母の世話をするときがきた時、私は母との昔のいやな思い出を捨ててせっすることができるようになるのか不安です。また、今私がどのように母と接すれば、母はわたしに関心をもってくれるようになるのでしょうか。

 

                          東京都品川区 女性会社員 二十二歳

 

■回答

 このコーナーには最近すごい人がよく登場しますが、あなたのお母さんは超弩級ですねえ。ぼくの十八番の「それは遺伝子のせいです」なんて言葉が吹っ飛んでしまいそう・・だって、自分の遺伝子の後継者である、あなたをないがしろにするんだから始末に終えませんよね。一体この人の遺伝子は何考えてるんだろ?もしかしたら、この人の遺伝子は跡継ぎを必要としてないのかなあ。

 もうどうしようもないお母さんなんだけど、そんな環境でよくぞ、あなたは立派に育ちましたね。これほど客観的にお母さんを分析出来るなんて、並の娘さんに出来ることではありませんぞ。更には、このお母さんが年老いたら世話をするとまでおっしゃる。こんな母親なんて姥捨て山行きと言われないところが、また素敵!

 でもね、もしあなたのお母さんが、もっとお母さんらしい愛情いっぱいの人だったら、あなたはどんな風に育ってたでしょうね。甘やかされて駄目っ子になってた可能性はないでしょうかね?

得てして、良妻賢母の亭主や子供は不出来というのが相場です。何故かというと亭主や子供などの出来が良くて良夫賢娘(こんな言葉ないけど・・)だったら良妻賢母なんて成り立たないというか目立たないものね。つまりね、あなたの仕上がりが良いのはお母さんが反面教師になってくれてたせいかも知れないってことなんです。それに何はともあれ、働いて食べさせてはくれたしね。

 ひとつ気になるのは、あなたが最後に「どうしたら母は私に関心を持ってくれるでしょうか?」と言っておられるところ。やっぱり寂しいのかな・・・まだ22歳だものね、かわいそうに。

 でもお母さんの関心を買おうとすればするほど、あなたは裏切られて苦しくなりますよ。聡明なあなたのこと、そろそろこの呪縛をお解きになっては・・