産経新聞 中川晶の生き方セラピー 第18回 平成16年7月31日掲載「祖母の一言でカレー嫌いに」

 

 

■相談

「夫が昔馴染みの飲み屋のママと時々、こそこそ連絡を取り合い会っています。本人は何もない、と主張していますが、趣味の陶芸で作ったマグカップやどんぶりをプレゼンしたり。いっしょにママの店にいったこともありますが、そのときも夫は特別扱い。何もないなら私にも話してほしいのですが。老後は何でも二人で楽しみながら暮らしたい、と思っていますが無理なのでしょうか?

                                               兵庫県 女性

                                                                          ■回答

 また男女問題ですな。何故か最近この手の問題が多いようです。実は、苦手なんですけど…。

 ぼくは医者で生物学の味方ですから、この手の問題は「遺伝子の陰謀」だと思ってます。要するに雄と雌での繁殖戦略に違いがあるということなんです。物事はそう単純でないでしょうけど、世の中には複雑に考えすぎて迷路にはまってしまっている人も多いようです。

 今回のご相談の場合、原文は非常に長いお手紙でしたが、ポイントを整理してみると、旦那の浮気の手口が巧妙なので、怒りをどのように表したらいいのか戸惑っておられるようなフシがありました。確かに、趣味の陶芸の腕を生かして作ったものをプレゼントする、というぐらいじゃ、正面切ってよその女に貢いでいるとも言いにくい。旦那から「友達にすぎんじゃないか!何をカリカリしてる。狭量な!」と言われるのもしゃくですものね。

 問題は心理的な裏切りにあるのでしょうね。たとえ旦那がどんないい訳をしても…生物学的に言うと、あなたはもっと怒りを表明してもよろしい。でも誰に表明すべきでしょうか? 旦那に怒っても、あんまり効果なかったみたいですもんね。

 北アメリカに生息する猛禽ハイイロチュウヒの雌は、ライバルの雌が食べ物を持っているだけで攻撃をかけます。アオガラという鳥は空中でライバルの雌に体当たりを食らわせます。そんなハシタない事とおっしゃるかもしれませんが、破れかぶれの感情的な行動が道を開くこともあります。激しい戦いの後にやっと平安が訪れるのかもしれません。つまり、生半可な方法で元の鞘に戻るというのは生物学的にも難しいのです。ただね、これは生物学的な原則であって、飲み屋のママに対して刃傷沙汰におよぶのは関心しません。つまりは旦那に対する威嚇行動が大事なんです。要するにそれくらいの迫力を出さないと旦那は震え上がらないってことでしょうか・・ 「雨降って地固まる」という諺もあるではありませんか。